信貴山縁起絵巻(朝護孫子寺)平安時代のやまと絵を代表する作品/平安時代の美術

信貴山縁起絵巻

信貴山を再興した修行僧,命蓮 (みょうれん) にまつわる説話を絵巻としたもの。 12世紀後半の作。紙本着色,3巻。国宝。朝護孫子寺蔵。物語は 12世紀の『古本説話集』や 13世紀の『宇治拾遺物語』にも収められている説話。現存の絵巻は,命蓮の鉄鉢が長者の米倉を信貴山頂に運ぶ「飛倉の巻」,命蓮が剣の護法という童子を飛ばして,信貴山にいながらはるか都の帝の病を癒やす「延喜加持の巻」,弟の命蓮をたずねて旅をする尼公 (あまぎみ) が,東大寺大仏の夢のお告げにより命蓮と再会する「尼公の巻」の3巻から成る。人物の表情や動作をいきいきと描き,効果的な彩色法や,連続する画面に物語の時間的,空間的推移を巧みに表現する構図法とも相まって,説話絵巻の最高傑作の一つ。『源氏物語絵巻』とともに平安時代のやまと絵を代表する作品。