四天王像(當麻寺金堂)乾漆造の作例としても最古に属する貴重な作品/白鳳の美術

四天王像

重要文化財。金堂須弥壇の四隅を護る。日本における四天王像の作例としては、法隆寺金堂像に次いで2番目に古い。また、日本における乾漆造の作例としても最古に属する貴重な作品である。後世の四天王像が一般に激しい動きを表し、威嚇的ポーズを取るのに対し、當麻寺の四天王像は写実的ながらも静かな表情で直立しており、その顔貌には髭が加えられ、中国成都万仏寺跡出土の天王像に求められるなど、異国風が感じられる。各像とも補修や後補部分が多く、多聞天像は全体が鎌倉時代後期頃の木造に代わっている。他の像も後補部分が多く、増長天像は下半身のすべてと両襟、両袖などが木造の後補であり、広目天像は頭部、両襟、両手の前腕部などに当初のものを残すほか、体部の大部分が木造の後補である。比較的当初の乾漆層を残すとされる持国天像も下半身や両袖などには大幅に修理の手が入っている。

乾漆造

漆を用いてつくった像。中国,唐代,日本の奈良時代に盛行。乾漆は漆工の技法で,彫刻や工芸に用いられ,中国では夾紵(きょうちょ),日本では当時は即,そくと呼ばれた。制作法には脱乾漆(脱活乾漆)造と木芯(心)乾漆造がある。脱乾漆は泥土で原型をつくり,その上に漆を塗布した麻布を幾重にも張り,乾燥後,中の泥土を除去して頭部,手などの細部を木粉と漆を混ぜた木屎漆(こくそうるし)で成形。乾燥後に漆を塗り,金箔を押し,彩色して完成する。木芯乾漆は木でだいたいの形をつくり,木屎漆で細部を成形し金箔や彩色で仕上げたもの。