正倉院(東大寺)校倉造/奈良(天平)時代の美術

正倉院

本来は寺院の主要な倉庫のある区画をいうが,現在では東大寺の正倉院をさす。大仏殿の北西に三つの倉(北倉,中倉,南倉)があり,いずれも地上から2.4mという高い床をもつ。北倉と南倉は三角材による校倉(あぜくら),中倉は板倉である。大仏殿造営(745年−752年)前後に建造されたもので,聖武天皇の冥福を祈って光明皇后が大仏に寄進した聖武天皇遺愛の御物や,天平勝宝4年の大仏開眼会に使用されたもの,東大寺境内図等の地図,古文書類,生薬などが納められている。大部分が奈良時代あるいは中国唐代のすぐれた文化を代表するもので,〈国家珍宝帳〉等5種の《東大寺献物帳》によりその詳細が知られ世界的にも貴重な資料となっている。《鳥毛立女屏風》や狩猟文錦等をはじめとする染織品,螺鈿(らでん)の楽器,三彩などの陶磁器,ガラス製品などが名高い。現在は宮内庁の所管で,年1回秋に曝涼(ばくりょう)が行われ,その時を利用して調査整理が続けられている。

校倉造

古代建築様式の一つ。柱を用いないで、断面が台形や三角形の木材を井桁(いげた)に積み上げて、壁にしたもの。奈良時代から平安初期にかけて寺院や官庁の宝庫、倉として多く建てられた。東大寺の正倉院や唐招提寺の宝蔵、経蔵などが有名。