法隆寺金堂壁画(法隆寺)わが国初の本格的遺品/白鳳の美術

法隆寺金堂壁画

法隆寺金堂内部の土壁に描かれていた壁画。7世紀末頃の作。堂外陣四周には大小 12面の壁画があり,4つの大壁にはいずれも説法相の如来と両脇侍菩薩を中心に,諸尊が整然と立並ぶ浄土図が描かれ,釈迦,阿弥陀,薬師,弥勒の四仏の各浄土とみられる。四隅の8つの小壁には文殊,普賢,十一面,聖観音など菩薩像各1体ずつを描き,全体として統一のある構成を示していた。さらに内陣上には飛天各2体を描いた小壁 20面,外陣長押 (なげし) 上にも山中羅漢を描いた小壁 18面があった。しかし 1949年火災によって焼損し,飛天の小壁のみが取りはずされていて災禍を免れた。インド,西域の美術を取入れた国際的な唐代絵画様式の影響を受けて,張りのある鉄線描や強い暈 (くま) を用いた力強い尊像表現をみせ,深い精神性を表わした格調高い作品であった。現在堂内には,70年完成の再現模写が飾られている。