装飾古墳/古墳時代の美術

装飾古墳

日本の古墳のうち、内部の壁や石棺に浮き彫り、線刻、彩色などの装飾のあるものの総称で、墳丘を持たない横穴墓も含まれる。大半が九州地方、特に福岡県、熊本県に集中している。壁画は死者の魂を慰めたり、魔除けのために描かれたと考えられている。

初期「石棺系」石人山古墳

福岡県の筑後市と八女(やめ)郡広川町にまたがる全長110mの前方後円墳(史跡)。後円部前面に武人の形をした1体の石人が立つ。5世紀ころの古墳で,後円部の竪穴(たてあな)式石室には,直弧文の浮彫を施した組合式家形石棺を置く。

初期「石障系」井寺古墳

熊本県上益城郡嘉島町大字井手にある古墳。形状は円墳または前方後円墳。国の史跡に指定されている。石室に装飾が施された装飾古墳の1つとして知られる。

「壁画系」チブサン古墳

熊本県山鹿市にある装飾古墳。国の史跡に指定されている。石室内の石屋形(いしやかた)内壁と屋根の軒部前面に装飾文が描かれている。内側石の上段に白の円文7個、下段に冠をつけ両手、両足を広げた人物像とその右に三角文を白色で、その他は赤色で塗っている。正面の側石に三角文・菱形文を主体に正面中央に円文を描き、赤・白・青の三色で塗り分けてある。 特に、中央に描かれている装飾の紋様が女性の乳房に似ていることから、「乳の神様」(別称)として現在に至るまで崇められている。

「壁画系」竹原古墳

福岡県宮若市竹原にある装飾古墳である。6世紀後半ごろの優れた壁画古墳として知られ、一対の「さしば」と呼ばれる団扇様の日よけや、龍、馬を曳く人、朱雀などが描かれている。装飾古墳として歴史・美術史的に高く評価されており、1957年(昭和32年)2月22日、国の史跡に指定された。

「横穴系」

壁画系古墳が造られ出してからまもなく、横穴墓の壁面にも同様に彩色や線刻で壁画を描いたものが各地に造られた。