高松塚古墳壁画(明日香村古墳)古代中国、朝鮮、日本の関係を知る貴重な資料/白鳳の美術

高松塚古墳壁画

奈良県高市郡明日香村,文武天皇と天武・持統天皇陵との間にある,7世紀末―8世紀初めの古墳(特別史跡)。1972年3月の発掘調査で群像を描いた彩色の壁画が発見され,注目の的となった。高さ5mの円墳の下にある長方形の石槨(せっかく)内部には,人物図のほかに四神図,星宿図が描かれ,大陸文化移入の事情を研究するための重要な資料を提供した。壁画(1974年国宝指定)の婦人像は,唐や高句麗の古墳壁画との類似,また正倉院宝物の《樹下美人図》や《天寿国繍帳》の像との類似がみられる。現在は密閉され,模写された壁画(1974年完成)のみ見学できる。2005年,文化庁は劣化が進む壁画の修復保存策として,墳丘を掘って壁画の描かれた石室を取り出す石室解体案を採用することにした。文化財の現地保存主義を転換する異例の措置となる。