風流艶色真似ゑもん 下巻 / 鈴木晴信

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「吉原初めての客の様子」「世話役を誘惑する遊女」など、神通力で豆男に変身した男が情事を覗くというお話。鈴木晴信の浮世絵春画「風流艶色真似ゑもん」を男女の粋な会話を添えて公開しましたので、見るだけでなく、読む楽しみを是非味わってください。春画は戦闘前の武士の士気を高めたり、火除けのお守りといった用途もありました。また若い夫婦のための性教育の教材としても使われ、描き手が男性のみだったにもかかわらず多くの女性にも楽しまれた芸術なのです。

  1. 「初会の客」
    この男、吉原遊びが初めてのようで、おどおどしている
    花魁と親しくなるきっかけがつかめず困っている様子
    花魁:煙草吸わないかえ?
    豆男:遊びが下手な奴だ
    豆男:こういう初心な男がもてたりするから、分からないもんだ

  2. 「二会目の回」
    吉原では、事を急ぐ客は野暮と言われて嫌われる
    わざと客は気をもたせている
    花魁:さぁ、帯を解いて
    客:その事か、俺は大分酔った
    豆男:この蒲団に上るには梯子がいりそうだ

  3. 「三会目の客」
    廊下で新造が不寝番に犯されている
    花魁はその様子を見て見ぬふりをしている
    客:何かすうすうする
    花魁:茶釜の湯の沸く音さ
    豆男:これは大変だ!

  4. 豆男:もう一回やれ
    豆男:俺はここらでひと眠りだ

  5. 豆男:この遊女、世話役の男を誘惑してるぞ
    豆男:遊女の道を踏み外している
    豆男:落とした手紙を盗み読みいてやる

  6. 音ずれる 鐘も濡るや 横しぐれ
    裏意:遊女が濡れている、邪魔な客を廻って来たからか
    客:今夜は塗り枕で来たな
    遊女:何のことかえ
    豆男:枕が他の客と交わって濡れたということか
    豆男:洒落た嫌味を言う客だ

  7. 花に遊ぶ なほなほ蝶の 花ごころ
    裏意:女遊びが好きな客は、その友達にも手を出すもの
    新造:お客さんがいたずらをして困っています
    遊女:いつもの事さ
    豆男:間が悪い、ご主人の遊女がやってきた。

  8. 萌えいずる 春の手際や 早わらび
    裏意:若い遊女に欲情し、すばやく手を出すことよ
    新造:あれ、悪い事を…
    新造:花魁がすぐに来られますから
    豆男:これはこれは、助べえの百亀先生

  9. 替へ袱紗 懐にあり 燕子花
    裏意:本音では馴染みの女ではない、他の女に馴染みたい
    馴染みの遊女:またここでいちゃいちゃして!
    客:そっちへ行くよ、足がしびれているのさ
    豆男:男が叩かれて嬉しがるのはここだけだ

  10. 大拍子 打つ夜神楽や 冬籠もり
    裏意:三味線のバチ(男根)のめでたさよ、蒲団の中に籠ろうよ
    客:こいつをぬっと入れたら気持ちいいだろうよ
    花魁:なぁ寝なさい、早く入れたいから
    豆男:次はぎりん囃子でも弾いたらよかろう
    豆男:貴人が退場する場面の曲だ

  11. 絡まるるほど心よし蔦の宿
    裏意:遊女屋では絡まれるほど心地いい
    花魁:ああ、好きだよ、ええ、どうしよう
    豆男:ここまで来れば、色気より食い気だ

  12. 花魁は気に入らない客を袖にする意地があった
    その裏では本気で情事を楽しむ間夫という恋人がいた
    間夫:今夜の客はどんな客だ?
    遊女:旅人さ
    豆男:さすがに懐が寂しくなってきた
    豆男:深川国へ渡って、穴場の色事を見てまわろう

tnj